〈報道番組のディレクターに〉
80年代後半、各民放は報道に力を入れるようになっていましたが、その先駆けとなった番組『ニュースステーション』は1985年に始まりました。入社して6年、私はそこで報道ディレクターとしての基礎を学び始めたのです。日本はバブル経済の坂を上り、世界では冷戦の終結時期。それらを日々お茶の間に伝える仕事は、時間に追われて大変でしたけれど充実していました。しかし、やがてニュースを落ち着いて検証したいと思うようになり、『ザ・スクープ』へ異動を申し出ました。
〈報道番組は料理作りに似ている〉
料理は、料理人が悪ければせっかくの素材も生かされません。また、同じ素材でも料理の仕方によって味はさまざま。そして、季節の素材を取り入れることは大事ですが、続いてしまうと飽きられてしまう。同じことが報道番組にも言えますね。
〈これからのテレビ業界〉
テレビにもデジタル化の波が押し寄せています。ご承知のように2011年にはアナログ波が停止されます。音声・活字・映像が媒体の壁をまたいでいきます。テレビは今過度期にあります。でも、私は悲観も楽観もしていません。カメラを向ける相手、それを見せる相手にいかに誠実であれるか。そこさえ押さえていれば大きな間違いは起こらないと確信しているからです。
〈試験官として〉
面接の試験官になることがあります。時々見かけるのですが、ある一定のテーマにこだわり過ぎる人がいます。そういう人は、感じがよくて受け答えがうまくても困りますね。必要な人材は、かたくなな人ではなく、柔軟な感性で現場を感じ取れる人ですから。 |